2025年03月26日
造作譲渡契約とは?契約書の作成方法と注意点を解説
店舗の閉店に伴い、造作物を次の借主に引き継ぐ際には「造作譲渡契約」が必要です。
この契約を適切に締結することで、スムーズな閉業と新たな借主への引き継ぎが可能となります。
本記事では、造作譲渡契約の概要や契約書の作成方法、注意点について詳しく解説します。
■造作譲渡契約とは?
造作譲渡契約とは、店舗の内装や設備、什器などの造作物を次の借主へ譲渡する際に結ぶ契約のことを指します。店舗物件には、大きく分けて「スケルトン」と「居抜き」の2種類があります。
スケルトン物件:内装がない状態で貸し出される物件
居抜き物件:前借主が使用していた内装や設備がそのまま残された物件
居抜き物件を利用することで、新借主は初期投資を抑えて短期間で開業できるメリットがあります。また、譲渡する側にとっても、造作物を現金化できるほか、原状回復費用を負担せずに退去できるという利点があります。
■造作譲渡契約の必要性
造作譲渡契約書は、以下のような目的で作成されます。
譲渡価格と譲渡項目の明確化
造作譲渡契約は売買契約の一種であり、譲渡対象となる造作物とその価格を明確にする必要があります。契約書には、譲渡する造作物のリストを記載し、範囲を特定しましょう。
■原状回復義務の明確化
賃貸借契約では通常、退去時に原状回復義務が発生しますが、造作譲渡を行うことで、新借主がその義務を引き継ぐことが可能です。この点を契約書に明記することで、不要なトラブルを防げます。
・契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)の明確化
造作物は基本的に現状有姿で引き渡されますが、万が一、設備に不具合があった場合の責任の所在を明確にしておくことが重要です。
・固定資産計上のための証明
新借主が譲渡された設備を固定資産として計上し、減価償却の対象とするためにも、契約書が必要となります。
■造作譲渡契約書の作成方法
造作譲渡契約書には、以下の項目を記載します。
・物件所有者・貸主の承諾取得
・譲渡する造作物のリスト
・造作譲渡価格
・支払期日および引き渡し期日
・支払い方法
・支払い遅延時の対応
・契約不適合責任の範囲
・原状回復義務の所在
・契約解除条件
造作物が多岐にわたる場合は、契約書と別に「譲渡対象リスト」を作成し、
契約書に添付する形で対応しましょう。
■造作譲渡契約の注意点
・譲渡対象物の明確化
契約書には、譲渡対象の造作物を漏れなく記載することが重要です。
リストにない造作物がトラブルの原因となるケースもあるため、数量や状態を明確にしておきましょう。
・物件所有者・貸主の承諾
造作譲渡を行う場合、物件所有者・貸主の承諾が必要です。契約書には、承諾を得ていることを明記するようにしましょう。
・リース品の取り扱い
譲渡対象の造作物の中にリース品が含まれている場合、その支払い義務の移行について明確に規定する必要があります。
・故障や修繕に関する取り決め
造作物の中に故障しているものが含まれている場合、その修繕費用を誰が負担するのかを明記することで、契約不適合責任のリスクを低減できます。
・物件所有者・貸主への請求制限
前借主と新借主が直接契約を交わすケースでは、物件所有者・貸主に対して造作物に関する請求をしない旨を明記することも重要です。
■まとめ
造作譲渡契約は、店舗の閉業や新たな開業を円滑に進めるために重要な契約です。
適切な契約を結ぶことで、譲渡価格や責任の所在を明確にし、後々のトラブルを防ぐことができます。
特に、居抜き物件の取引では必須となるため、契約内容をしっかりと確認した上で締結しましょう。
弊社では、居抜き物件の造作譲渡に関するサポートを行っております。
契約書の作成や物件の売却・譲渡に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。