首都圏の新築一戸建て価格が小幅下落。23区は上昇継続も、郊外で調整局面へ
2025年9月の首都圏新築一戸建て住宅市場では、
平均価格が前月比で-1.5%の4,730万円となり、再び下落に転じました。
前年同月比では依然としてプラス圏を維持しているものの、エリアによって動きが分かれています。
◆ 東京都:平均5,740万円、23区の堅調さの裏で郊外は下落
東京都全体の平均価格は-4.0%の5,740万円と下落しました。
ただし、内訳を見ると、東京23区では価格上昇が続いており、
人気エリアでの新築需要は根強いことがうかがえます。
一方で、多摩地域など都下の戸建価格は下落傾向にあり、戸数シェアが縮小しています。
利便性と価格のバランスを重視する購入者が、
郊外よりも「交通アクセスの良いエリア」に回帰している様子が見て取れます。
◆ 神奈川県:+2.0%で上昇継続、5,000万円台を維持
神奈川県の平均価格は+2.0%の5,173万円と上昇傾向が続いています。
特に横浜市や川崎市など都心近接エリアでの需要が堅調で、
再開発が進む地域では新築物件の供給も活発です。
交通アクセスと生活環境の良さを兼ね備えた立地が評価されており、
価格の底堅さが際立ちます。
◆ 千葉県:3ヵ月連続下落、郊外では価格調整が進行
千葉県の平均価格は-2.7%の4,003万円と、3ヵ月連続の下落となりました。
特に前月比・前年同月比ともに土地・建物面積が縮小しており、
コスト上昇の影響からコンパクトな建物が増えていることが背景にあります。
利便性が高いエリアでは価格が保たれているものの、郊外では調整が続いています。
◆ 埼玉県:わずかに下落、4,000万円台を割り込む
埼玉県の平均価格は-0.8%の3,975万円と小幅な下落に転じました。
前月まで維持していた4,000万円台を割り込んだことで、
価格の天井感が見られます。
ただし、鉄道アクセスが良いエリアや新興住宅地では引き続き需要が高く、
エリア間での二極化が進んでいます。
◆ 購入を検討している方へのポイント
価格下落=チャンスの可能性
一部エリアでの価格調整は、購入を検討している方にとって好機ともいえます。
特に東京郊外や千葉・埼玉の一部地域では、条件の良い物件を比較的手頃に購入できる可能性があります。
物件面積や仕様の変化に注目
最近は建築コストの影響から、延床面積がやや小さくなる傾向があります。購入前には「価格だけでなく、広さ・仕様・立地のバランス」を慎重に確認することが大切です。
長期的な視点でエリア選びを
都心回帰傾向が強まる一方で、交通網の整備や再開発により、
郊外でも将来的に価値が上昇するエリアがあります。
今後の都市計画やインフラ整備の動向にも注目しましょう。
◆ まとめ
2025年9月の新築一戸建て市場は、全体的に小幅な下落傾向にありますが、
地域によって温度差が見られます。
東京都23区や神奈川県のように上昇を続けるエリアもある一方で、
郊外では価格調整が進み、購入者にとって選択肢が広がる状況です。
「今が買い時なのか?」を判断するには、短期の価格動向だけでなく、
自身のライフスタイルや将来の街の発展性も加味することが重要です。