飲食店やサービス店舗の出店相談を受ける中で、近年特に多く聞かれるのが
「希望条件に合う店舗物件が見つからない」という声です。
かつてコロナ禍では、多くの店舗が撤退を余儀なくされ、
空室物件が市場に溢れる時期もありました。
しかし2026年現在、店舗市場は大きく様変わりしています。
主要エリアでは空室率が低下し、賃料相場も上昇傾向が続いています。
今回は、なぜ店舗物件が不足しているのか、
そして今後の店舗探しにおいて重要なキーワードとなる「居抜き物件」について解説します。
東京都心部を中心に、店舗向け不動産市場は回復基調を超え、活況を呈しています。
インバウンド需要の回復や国内消費の持ち直しにより、
駅前立地や繁華街への出店意欲は非常に高い水準を維持しています。
その結果、コロナ前を上回る賃料で成約するケースも珍しくありません。
一方で、テナントが希望する優良物件の供給は十分とは言えず、
市場全体としては明らかな物件不足の状態にあります。
「物価高や人件費高騰で経営環境が厳しいのに、なぜ店舗物件は不足しているのか」
そう感じる方も多いかもしれません。
その背景には、コロナ禍を乗り越えた店舗事業者の経営改善があります。
多くの店舗は、不採算事業の見直しや運営効率化を進めながら営業を継続しており、
以前よりも収益体質を強化しています。
また、店舗を退去する際には原状回復費用が高額になるケースも多く、
簡単に撤退できない事情もあります。
さらに、市場には次のような要因も重なっています。
こうした状況により、実際に募集される優良物件は限られ、
出店希望者による激しい競争が発生しています。
現在、店舗開業で最も大きな課題となっているのが内装工事費の上昇です。
木材や鋼材、設備機器の価格高騰に加え、職人不足による人件費の上昇もあり、
数年前と比較して大幅に工事費が増加しています。
そのため、スケルトン物件から新規出店する場合、
といった課題に直面するケースも少なくありません。
こうした状況の中で、既存設備や内装を活用できる居抜き物件は、
出店リスクを抑える有効な選択肢として注目されています。
人気エリアの居抜き物件は、一般募集が始まる頃にはすでに
申込みが入っていることも少なくありません。
退去予定情報が出た段階で、仲介会社や出店希望者のネットワークを通じて情報が共有され、
水面下で話が進むケースが増えているためです。
特に飲食店向けの居抜き物件では、
などをそのまま活用できることから、多くの出店者が優先的に検討します。
結果として、市場に公開される前に成約するケースが頻発しています。
物件情報がインターネットで簡単に取得できる時代になった今、
単に募集情報を紹介するだけでは仲介会社の価値を十分に発揮できません。
むしろ重要なのは、物件が持つ可能性を見極め、
事業計画に合わせて最適な活用方法を提案することです。
例えば、
など、専門的な知識やネットワークが大きな差別化要因になります。
2026年の店舗市場は、「良い物件を待つ時代」から「良い情報を先に掴む時代」へ移行しています。
特に居抜き物件は、開業コストを抑えながらスピーディーな出店を実現できる貴重な選択肢です。しかし、その多くは一般公開前に動いてしまうため、日頃から市場動向を把握し、
情報ネットワークを持つ不動産会社との連携が重要になります。
当社では、公開物件だけでなく、退去予定情報や居抜き案件のご相談にも対応しております。
店舗出店や移転をご検討の際は、お気軽にご相談ください。