近年、ネズミをはじめとする「害獣被害」が増加傾向にあり、
特に都市部のビルオーナー様にとっては無視できない問題となっています。
2024年6月には、マスメディアでも
「10年前に比べてネズミ被害件数が2倍に増加」と報じられ、
テナント様からのご相談も増えているのではないでしょうか。
今回は、特にビルにおける「ネズミ被害」とその対策について、
基本的な知識と具体的な対応策をご紹介いたします。
ネズミの種類と特徴
現在、都市部で多く確認されているネズミは主に以下の3種です。
種類 ドブネズミ クマネズミ ハツカネズミ
大きさ 約22~26cm 約15~20cm 約6~9cm
特徴 耳が小さく、尾が胴より短い 耳が大きく、尾が胴より長い 耳が大きく、尾が胴より短い
生息場所 下水管、公園、 地面壁の中、 天井裏など建物内部畑の中
主な行動 水平方向に移動 縦方向への移動 忍び込み型
出没傾向 繁華街 オフィス街、住宅街、 マンション 郊外が中心
※近年では、東京都内でハツカネズミを見かける機会は減少傾向にあります。
ビルで起こりうるネズミ被害の実例
ネズミは建物に多大な悪影響を及ぼすことがあり、
以下のような被害が発生することがあります。
配管・配線の破損による漏電・火災リスク
ネズミの歯は一生伸び続けるため、
硬い物をかじって歯を削る習性があります。
特に、電線や通信ケーブル、配管類がかじられると、
漏電や火災といった重大な事故の原因となる可能性があります。
衛生・心理面への影響
※今回は物理的被害を中心に記載しており、
病原菌の媒介や不快感などは割愛しております。
ネズミ駆除の基本対策
ネズミの被害を防ぐためには、早期発見と予防が鍵となります。
以下に代表的な対策をまとめました。
1. 侵入口の遮断
ネズミはわずかな隙間からも侵入します。
建物の外周・壁の亀裂・配管や配線の取り込み口・天井裏・戸袋などを点検し、
侵入経路となる穴を特定・封鎖することが重要です。
ネズミが頻繁に通る場所には、
体の油分などで**黒ずみ(ラットライン)**が残るため、
点検の際の手がかりとなります。
※すべての通路を完全に塞いでしまうと、
内部に潜んでいたネズミが閉じ込められ、
死骸による異臭や衛生被害の原因となります。
一部の通路を残し、そこにトラップを設置する方法が有効です。
2. 建物周辺の美化・衛生管理
ネズミは残飯や食品廃棄物を求めて集まります。
ごみ置き場や建物周辺を清潔に保ち、
食品廃棄物が長時間放置されないよう努めることが、再発防止につながります。
3. 捕獲・駆除
ネズミの捕獲には以下のような方法があります。
捕獲器の設置
粘着シートの利用
殺鼠剤(毒餌)の使用
市販品を使ってご自身で対応される方もいらっしゃいますが、
効果的な駆除や再発防止を図るには、専門業者による対応をおすすめいたします。
ネズミの種類や行動特性に応じた対策が必要であるため、専門的な知見が不可欠です。
駆除業者の選定について
ネズミ駆除については、各自治体でも注意喚起がなされており、
地域によっては行政が専門業者を紹介しているケースもあります。
適切な業者が見つからない場合は、
建物の所在エリアを管轄する役所へお問い合わせいただくのも一つの方法です。
まとめ
ネズミ被害は、単なる衛生面の問題にとどまらず、
建物の安全性・資産価値にも大きな影響を与えます。
定期的な点検と予防、そして必要に応じた専門業者の活用により、
ビルの健全な維持管理を図っていきましょう。
充たす不動産では、物件管理やテナント対応を通じて、
オーナー様の資産価値を守るためのご提案を随時行っております。
害獣対策をはじめ、建物運営に関するご相談もお気軽にお問い合わせください。