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空き家のサブリースとは?放置を防ぐ活用方法と契約前の注意点

2026年08月05日

空き家のサブリースとは?放置を防ぐ活用方法と契約前の注意点

使う予定のない空き家を、管理の負担を抑えながら活用できる可能性がある「サブリース」。
安定した収入が期待できる一方、賃料の見直しや修繕費、解約条件など注意すべき点もあります。
仕組みと判断基準を分かりやすく解説します。

 
はじめに

相続した実家や、転居によって使わなくなった戸建てを、そのまま空き家にしていないでしょうか。

空き家は使用していなくても、固定資産税、火災保険、庭木の手入れ、建物の点検などの負担が続きます。
また、換気や通水が行われない状態が長く続けば、湿気やカビ、害虫、給排水設備の不具合などが
発生しやすくなります。

「売却する決心はつかない」
「将来、家族が使う可能性がある」
「賃貸に出したいが、修繕や入居者対応に不安がある」

このような空き家の活用方法の一つが、サブリースです。

ただし、サブリースはすべての空き家に適しているわけではありません。
「空室でも家賃が入る」「管理を任せられる」というメリットだけで判断せず、
借上げ賃料、修繕費、契約期間、解約条件などを十分に確認する必要があります。

今回は、空き家対策の選択肢としてサブリースを検討する際に、所有者が知っておきたい仕組みと注意点を分かりやすく解説します。

1.空き家を放置する前に活用方法を考える

空き家対策というと、すぐに売却や解体を思い浮かべるかもしれません。
しかし、建物の状態や立地、所有者の将来計画によって、適切な方法は異なります。

主な選択肢には、次のようなものがあります。

建物を修繕して住宅として貸す

店舗・事務所・倉庫などへ用途を変えて貸す

不動産会社に管理を委託して賃貸経営を行う

サブリース会社へ一括して貸す

現状のまま、または修繕後に売却する

建物を解体し、土地として売却・活用する

将来の利用に備えて定期的に管理する

重要なのは、「空き家だからこの方法」と最初から決めつけないことです。
立地に賃貸需要があるか、どの程度の修繕が必要か、今後売却や自己使用の予定があるかを整理し、
複数の方法を比較しましょう。

2.空き家のサブリースとは

サブリースとは、不動産会社などの事業者が所有者から物件を借り上げ、
その物件を第三者へ転貸する仕組みです。

契約関係は、次の二段階になります。

空き家の所有者が、サブリース会社へ物件を貸す

サブリース会社が、実際の入居者へ物件を貸す

所有者とサブリース会社との契約は「マスターリース契約」や「特定賃貸借契約」、
サブリース会社と実際の利用者との契約は「転貸借契約」と呼ばれます。

所有者から見ると、実際の入居者ではなく、サブリース会社が借主となります。
入居者募集、賃貸借契約、家賃回収、入居者対応などは、原則としてサブリース会社が行います。

一般的な管理委託との違い

管理委託では、所有者が入居者と直接賃貸借契約を結び、不動産会社は募集や管理を代行します。
空室中は原則として家賃収入がなく、入居者を承認する権限や賃貸条件を決める権限は、
基本的に所有者側にあります。

一方、サブリースでは、所有者はサブリース会社から借上げ賃料を受け取ります。
実際の転貸賃料との差額などが、サブリース会社の運営原資となります。

そのため、一般的には管理委託より所有者の受取額が低くなる一方、
空室や入居者対応の負担を抑えやすい仕組みです。

3.空き家をサブリースするメリット

空室中も契約に基づく借上げ賃料を受け取れる

サブリース会社が物件を借り上げている期間は、実際の入居状況にかかわらず、
契約に定められた借上げ賃料を受け取る仕組みが一般的です。

戸建ての空き家は、入居者がいなければ収入がゼロになります。
毎月の収入を見通しやすくなる点は、サブリースの大きなメリットです。

ただし、免責期間、賃料の支払開始時期、賃料改定条項などにより、
常に同じ金額が支払われるとは限りません。詳細は契約書で確認する必要があります。

入居者募集や管理の手間を軽減できる

通常の賃貸経営では、募集条件の決定、入居審査、契約、家賃回収、修繕手配、苦情対応、
更新、退去精算など、さまざまな業務が発生します。

サブリースでは、これらの多くをサブリース会社が担います。
遠方にある実家を相続した方や、賃貸管理に時間を割けない方にとって、
管理負担を減らせることは大きな利点です。

空き家の劣化や防犯上の不安を抑えやすい

人が住み、定期的に建物が使用されることで、長期間閉め切ったままの空き家よりも、
不具合を早期に発見しやすくなります。また、無人状態が解消されれば、
不法侵入や不法投棄などの心配を軽減できる可能性があります。

ただし、入居中であれば建物の劣化がなくなるわけではありません。
誰がどの範囲の点検・修繕を行うのか、契約で確認しておきましょう。

改修によって活用の可能性が広がる

現在の状態では貸しにくい空き家でも、最低限の修繕や用途に合わせた改修によって、
住宅、事務所、店舗、福祉関連施設などとして活用できる場合があります。

サブリース会社が改修を行い、その費用を契約期間中の運営収益から回収する仕組みもあります。
一方、所有者が工事費を負担する契約や、途中解約時に未回収工事費を精算する契約もあるため、
「初期費用がかからない」という説明だけで判断しないことが大切です。

4.サブリースのデメリットと注意点

市場賃料をそのまま受け取れるわけではない

サブリース会社は、空室、滞納、募集、管理などのリスクと費用を負担します。
そのため、所有者が受け取る借上げ賃料は、実際に入居者へ貸し出す賃料より低く設定されるのが一般的です。

収入の最大化を優先する場合は、所有者が入居者と直接契約し、
管理のみを不動産会社へ委託する方が適している可能性があります。

「家賃保証」でも賃料が変わる可能性がある

サブリースでは、「○年間一括借上げ」「家賃保証」などの表現が使われることがあります。
しかし、それが契約期間中ずっと同額の賃料を保証する意味とは限りません。

空き家を住宅として転貸するサブリースについて、
国土交通省は、借上げ賃料の定期的な見直しや減額の可能性、
サブリース会社から中途解約される可能性などを、契約前に説明すべき重要事項としています。

契約書では、次の点を確認しましょう。

借上げ賃料はいくらか

賃料を見直す時期と条件

免責期間や賃料不払い期間の有無

市場賃料が下がった場合の取扱い

協議がまとまらない場合の手続き

所有者側から簡単に解約できない場合がある

サブリース契約では、サブリース会社が所有者に対する「借主」の立場になります。
そのため、普通借家契約として締結する場合、所有者からの更新拒絶や
解約に正当事由が必要となる可能性があります。

「数年後には売却したい」「子どもが住むかもしれない」と考えている場合は、
契約期間、更新方法、中途解約、違約金、定期建物賃貸借契約の可否などを事前に確認する必要があります。

入居者や利用方法を自由に選べないことがある

転貸先の募集や契約は、サブリース会社が行います。
所有者が入居者を一人ずつ審査したり、自由に選んだりできない契約もあります。

住宅以外の用途への転用、ペット、法人利用、事務所利用、短期利用など、
認めたくない条件がある場合は、転貸可能な用途・条件をマスターリース契約に明記しておきましょう。

修繕費・改修費の負担が分かりにくい場合がある

屋根や外壁、給湯器、給排水設備などの修繕費を誰が負担するかは、契約により異なります。

サブリース会社が一時的に費用を負担しても、毎月の賃料から控除される、
契約終了時に精算するなどの条件が設けられている場合があります。

次の区分を具体的に確認しましょう。

契約開始前の修繕・リフォーム

入居者募集のための追加工事

契約期間中の設備故障

入居者の故意・過失による損傷

退去時の原状回復

契約終了時の建物返還状態

サブリース会社の経営状況にも影響される

空室リスクや滞納リスクはサブリース会社が負担しますが、リスクそのものが消えるわけではありません。
サブリース会社の経営状況が悪化すれば、借上げ賃料の支払い遅延や契約終了などが起こる可能性があります。

契約条件だけでなく、会社の実績、管理体制、修繕体制、財務面の信用力なども確認しましょう。
 


5.サブリースに向いている空き家・向いていない空き家

向いている可能性がある空き家

当面の間、売却や自己使用の予定がない

賃貸需要が見込める立地にある

大規模な改修をしなくても活用できる

収入の最大化よりも、管理負担の軽減を優先したい

遠方にあり、自主管理が難しい

長期の契約を結んでも問題がない

借上げ賃料や契約条件に納得できる

慎重な検討が必要な空き家

近い将来に売却、建替え、自己使用を予定している

建物の老朽化が進み、多額の修繕が必要

再建築、用途変更、接道などに法的・技術的な課題がある

賃貸需要が弱く、活用方法が定まらない

入居者や利用方法を所有者自身が決めたい

借上げ賃料の減額を受け入れにくい

修繕費や中途解約時の精算条件が不明確

建物の状態が悪いからサブリースに向かないとは限りません。
改修によって価値を生み出せる物件もありますが、
事業者が投資費用を回収できる契約期間や収益性が必要になります。

まずは、建物調査、賃料査定、修繕費の概算を行い、事業として成立するかを確認することが重要です。

6.契約前に確認したい10項目

サブリースを検討する際は、毎月の借上げ賃料だけでなく、契約全体を確認しましょう。

借上げ賃料と支払開始日

賃料の改定時期・改定条件

免責期間と空室時の取扱い

契約期間と更新方法

所有者・サブリース会社それぞれの中途解約条件

違約金や未回収工事費の精算方法

修繕・リフォーム費用の負担区分

転貸できる用途と入居者条件

火災・漏水・事故発生時の責任と保険

契約終了後の入居者・敷金・管理資料の引継ぎ

口頭で「大丈夫です」と説明を受けるだけでなく、
重要事項説明書、契約書、修繕負担表などの書面で確認することが大切です。
分からない条項がある場合は、契約を急がず、専門家へ相談しましょう。

7.サブリース以外の空き家対策とも比較する

サブリースは有効な選択肢ですが、唯一の答えではありません。

活用方法

主な特徴

向いている考え方

サブリース

事業者が借り上げて転貸する

収入の安定性と管理負担の軽減を重視したい

一般賃貸+管理委託

所有者が貸主となり、管理会社へ実務を委託する

空室リスクを負っても収益性や入居条件を重視したい

定期借家

契約期間を定めて貸す

将来の売却・自己使用時期を想定している

空き家管理

巡回・換気・通水などを委託する

すぐには貸さず、将来の利用に備えたい

売却

所有と維持管理を終了する

今後利用する予定がなく、現金化したい

解体・土地活用

建物を解体し、土地として活用する

建物の劣化が大きい、土地需要が見込める

同じ空き家でも、所有者の年齢、相続関係、住宅ローン、修繕予算、
将来の利用計画によって適切な答えは変わります。

「賃貸にできるか」だけでなく、「いくら手元に残るか」「何年間自由に処分できなくなるか」
「修繕リスクを誰が負うか」まで比較しましょう。

8.空き家サブリースを検討する流れ

1.所有者の希望を整理する

何年間活用したいのか、毎月いくら必要なのか、将来売却や自己使用の予定があるのかを整理します。
相続人が複数いる場合は、早めに意向を確認しましょう。

2.物件の状態と法的条件を確認する

建物の劣化、雨漏り、シロアリ、設備、境界、接道、建築関係書類などを確認します。
用途を変更する場合は、法令上の手続きや工事の可否も調査します。

3.賃貸需要と活用方法を調査する

住宅として貸すのか、店舗・事務所・倉庫など別の用途を検討するのか、地域の需要を踏まえて考えます。

4.修繕費と収支を比較する

予想賃料、借上げ賃料、修繕費、税金、保険、将来の維持費を整理します。
サブリースだけでなく、通常賃貸や売却の場合の収支も比較します。

5.契約条件を確認する

重要事項説明を受け、賃料改定、修繕負担、契約期間、解約条件などを確認します。
条件を理解し、納得したうえで契約しましょう。

9.空き家は「放置しないこと」が大切

2023年12月に施行された改正空家法では、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家について、
「管理不全空家等」として市区町村が指導・勧告できる仕組みが設けられました。

活用や売却をすぐに決められない場合でも、
定期巡回、換気、通水、庭木の剪定、郵便物の確認など、適切な管理を続けることが重要です。

サブリースは、空き家を人に使ってもらいながら維持し、収入につなげる可能性のある方法です。
しかし、物件の条件や所有者の将来計画に合わなければ、
通常賃貸、管理、売却など別の方法が適していることもあります。

空き家対策はミタスプロパティへご相談ください

株式会社ミタスプロパティでは、空き家の賃貸、管理、売却、事業用物件としての活用など、
所有者様のご希望と物件の状況に合わせたご提案を行っています。

私たちが大切にしているのは、最初から一つの方法に決めることではありません。

建物の状態、立地、修繕費、予想賃料、将来の利用予定などを整理し、
サブリースの可能性を含め、通常賃貸、定期借家、空き家管理、売却などを比較します。

また、グループ会社との連携により、現地確認、残置物の整理、
修繕、原状回復、リフォーム、定期巡回などのご相談にも対応しています。

「相続した実家をどうすればよいか分からない」
「売却するか、貸すか迷っている」
「修繕費をかけて賃貸にする価値があるか知りたい」
「遠方に住んでいて、空き家の管理ができない」

このようなお悩みがございましたら、空き家の現状整理からお気軽にご相談ください。
所有者様にとって無理のない空き家対策を、一緒に検討いたします。


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