— 物件探しで失敗しないための「確認ポイント」紹介 —
テナント物件を探していると、
「重飲食可」「軽飲食のみ」といった表記を目にすることがあります。
ただ、この“重飲食・軽飲食”という区分は、
実は定義が完全に統一されているわけではなく、
貸主・管理会社・仲介会社によって捉え方が異なることも少なくありません。
そのため、「重飲食不可と書いてあるから絶対に無理」「軽飲食なら大丈夫」と
決めつけてしまうと、申し込み後にNGになったり、
逆にチャンスを逃したりすることがあります。
本記事では、重飲食と軽飲食の違いを整理しながら、
現場で起こりがちな“例外”や、契約前に必ず確認すべきポイントを解説します。
目次
重飲食とは?軽飲食との違い
① 2区分で考える「広い意味の重飲食」
② 3区分で考える「狭い意味の重飲食」
現場で起こる“2つの例外”
事例1:重飲食不可でもOKになった(ラーメン)
事例2:重飲食可でもNGになった(カフェ)
まとめ|「重飲食可/軽飲食可」を見たらまず確認したいこと
1. 重飲食とは?軽飲食との違い
「重飲食」「軽飲食」は、主にテナント物件の
入居可能な業種制限を説明するときに使われる言葉です。
一般的には、調理の度合い(火・油・煙・におい)が
大きいほど「重飲食」、
小さいほど「軽飲食」とされます。
物件募集では、次のように表記されることが多いです。
重飲食可:重飲食業態も入居検討の対象
軽飲食可:軽飲食まで(重飲食は制限されることが多い)
なお、飲食業全体で見ると、実際には重飲食に該当する業態が多数派です。
だからこそ、重飲食で出店を考える場合は、物件選びの時点で注意が必要になります。
① 広い意味の重飲食(2区分で考える)
現場で最もよく使われるのが、この「重飲食/軽飲食」の2区分です。
■ 重飲食(広義)
厨房を備え、火を使い本格的な調理を行う業態。
ガス・電気・給排気・排水など、必要となる設備容量が大きくなる傾向があります。
例:飲食業態の大半
■ 軽飲食
本格的な調理を伴わず、飲み物中心または簡易調理が中心の業態。
例:カフェ、バー、スナック など
② 狭い意味の重飲食(3区分で考える)
一方で、現場によっては「重飲食」の中でもさらに区分けされることがあります。
■ 重飲食(狭義)
火を使う飲食の中でも、特に油・煙・においが強い業態。
建物への影響や近隣クレームにつながりやすく、制限されやすいのが特徴です。
例:焼肉、焼き鳥、ラーメン、中華、カレー など
■ 飲食(重飲食ほどではないが調理あり)
火を使うが、油煙やにおいの負担が比較的少ない業態。
例:レストラン、居酒屋、和食、ダイニングバー など
■ 軽飲食
前述のとおり
※この区分はあくまで目安で、最終判断は物件ごとの貸主・管理会社の方針により変わります。
2. 現場で起こる“2つの例外”
ここが最も大事なポイントです。
「重飲食可/不可」という表記があっても、
実際には条件次第で結果が逆になることがあります。
事例1:入居OK(重飲食不可の物件 × ラーメン)
「におい・煙が出る業態はNGなので重飲食不可」と募集されていたのに、
結果としてラーメン店が入居できたケースです。
この場合、貸主が嫌がっているのは「飲食全般」ではなく、
油・煙・においが強い業態による建物負担や近隣クレームでした。
そこで出店者側が採用したのが、セントラルキッチン方式。
店舗での調理工程を減らし、におい・煙・油の発生を抑えられる運営方法です。
さらに、その運営方法を資料等で丁寧に説明し、
貸主の懸念を解消できたことで「ラーメンでもOK」という判断につながりました。
ポイント:
“業態名”で判断されているのではなく、リスク要因(煙・におい等)で判断されている場合がある。
事例2:入居NG(重飲食可の物件 × カフェ)
逆に、見た目は軽飲食のはずなのに、話が進んだ後でNGになった例です。
要因は、設備容量不足でした。
カフェ風ダイニング業態で、冷蔵・冷凍機器、調理機器、
空調など出店基準が厳しく、必要設備が多かった。
つまり、業態としては軽飲食寄りでも、求める設備が重飲食並みだったのです。
一方、物件側は「重飲食可」と書かれていても、実際には
ガス・電気・水道の容量が家庭用レベルで、増設が現実的ではない状況。
結果、「やりたい店が作れない」という判断になりました。
ポイント:
軽重の判断は“煙・におい”だけでなく、“ガス・電気・給排気・排水など設備容量”で決まることがある。
3. まとめ|「重飲食可/軽飲食可」を見たらまず確認したいこと
重飲食・軽飲食は便利な言葉ですが、定義が曖昧で、捉え方が物件ごとに異なるのが実情です。
そのため、物件情報の表記だけで判断せず、次の点を必ず確認しましょう。
■ 出店前に確認したいチェックリスト
何をもって「重飲食不可」なのか(煙?におい?油?設備?)
ガス容量(メーター号数・増設可否)
電気容量(アンペア数・動力の有無)
給排気(ダクトのルート、屋上排気可否)
排水(グリストラップ設置可否、配管径)
近隣への配慮(臭気・騒音・営業時間条件)
「この物件でやりたい」と思ったら、早い段階で不動産会社に相談し、
貸主の判断基準と設備条件を具体的に確認することが、出店成功の近道です。